なぜ午後8時以降なのか?
緊急事態宣言にて「午後八時以降の不要不急の外出自粛」が求められている。
「コロナはカレンダーを持っていない。もう一つ持っていないものが時計。ですから、午後8時であろうが、お昼間であろうが、不要不急の外出はお控えください」との、小池知事の発言。
理解度の低い国民にも解り易いように。との工夫のつもりなのかもしれないが、「うまいこと言った」的な鼻に突く言い回しは、返って国民の心には響かない結果となっている。
「なるほど!コロナは時計持ってないから、昼でも感染する恐れがあるんだ。」
そう、得心した者が果たしていたのであろうか。
感染を抑えるだけであれば、全面的な外出禁止措置を取れば良い。
それをしないのは、菅首相も言っているが「経済面」に配慮してのことだ。
では、午後8時以降とした理由は何か。
もちろん、午後8時以降はウィルスの感染力が強くなるからではない。
飲食の場、特に「酒を伴った」宴会・会食・パーティなどの場で、多くのクラスターが発生していることが確認されている。
ウィルスの蔓延を防ぐためには「酒を伴った」宴会を減らし、クラスターの発生を抑えることが有効。との判断がなされた。
しばらく前までは「酒を伴った飲食」の自粛。が求められていた。
だがこれは、殆ど効果がなかった。
「酒を伴った飲食の自粛」が、クラスターの発生防止に繋がらなかったからではない。
「酒を伴った飲食」が、期待していたほど減っていないからだ。
そこでもう一段階、規制を厳しくすることにした。
「酒を伴った」宴会の多くは、夕方から夜にかけて行われる。
他の「経済面」を考慮して、昼は経済活動をして、だが夜は「酒を伴った飲食」が出来ないような時間として、午後8時が選ばれた。
午後8時以降に外出しないことが目的ではなく、本来は昼であっても「酒を伴った飲食」の場を減らすことが目的であることを、はっきりと示すべきである。