「緊急事態宣言の解除は延期すべき」との専門家の提言を尊重すべきか?
「緊急事態宣言の解除は延期すべき」
専門がこう提言している。
彼らの言っていることは正しいのか?
それに従うべきなのか?
この場合の専門家とは「医療崩壊を防ぐ」立場の専門家であり、彼らの提言は「いかに医療崩壊を防ぐか」との観点しかないし、彼らの仕事はそれであるので正しい。
だがコロナ対策には「医療崩壊を防ぐ」と「経済崩壊を防ぐ」のどちらをどれだけ優先するのかのバランスが求められている。
両立が不可能なことがはっきりしているので、どらかを優遇すれば、もう片方に不備が生じる。
最近のニュースはその「不備」の面のみを、ここぞとばかりに責め立てる傾向があるので、政府がどちの面でも失敗しているとの印象しか与えていない。
では「経済崩壊を防ぐ」立場の専門家の意見はどうなっているのか。
「経済崩壊を防ぐ立場の専門家」は、いるのかもしれないし、それなりの発信をしているのかもしれない。
だが、30分程度のニュースの枠では、前者の発言のみが取り上げられる。
なぜか?
そもそも「経済崩壊を防ぐ」立場の専門家がいるのか?
その前に「医療崩壊を防ぐ」立場の専門家は何を言っているのか?
良く聞くと、彼らが今言っているのは「コロナ禍を収束させるための方法」ではなく、「医療崩壊を防ぐための方法」でしかない。
患者が増えれば医療機関で対応しきれなくなる→患者の発生数を減らすことが必要→伝染病であるので人と人の接触を減らすことが必要→そのためには緊急事態宣言でもなんでもやって人が外出しないようにすることが必要
との、割と単純な理屈を言っているに過ぎない。
もちろん「経済対策」については彼らの専門外なので、彼らの提言には全く考慮されていない。
「我々の提言は医療面への提言である。経済面での提言は別の専門家に聞いて欲しい。そして、どちらをどれだけ優先させるかは、政治に任せる。」
その前提があっての彼らの発言である。それは全く正しい。
にもかかわらず、報道では「経済面での専門家」の意見が聞こえてこない。
聞こえて来るのは「外出自粛を継続すべき」との「医療面」での提言を実施した前提で、「経済面」で打てる対策は?
との、かなり限定された局面での、打開策を求められている。
なので政府がそれにみあった支援策を捻出するべきとの、どれだけ実行可能かを度外視した、平坦な意見しか出てこない。
「コロナ禍で人々が外出自粛してる中での経済対策の専門家」
そんな人は、いない。
「コロナ禍での外出自粛制限課が経済に与える影響の専門家」
「コロナ禍による経済崩壊からの復旧方法の専門家」
の提言は、どこから聞こえて来るのか。
今行われている提言が「経済面」を全く無視した上での「医療面」での提言であるのなら、「医療面」を全く無視した上での「経済面」での提言をすれば良いのではないか。
その双方を聞いたうえで、政府がそのバランスを考えた上での対策を打つべきであるし、それで犠牲になるもう片方の面についても、国民の理解を得られるように努力するべきだ。
だが、繰り返すが、今聞こえているのは「経済面」を全く無視した「医療面」からの提言だけである。
「緊急事態宣言の解除は延期すべき」との専門家の提言を尊重すべきか?
■従うべき「経済面」より人命が優先するのは明らかである。
■尊重すべき
失われた人命は取り戻すことは出来ないが、経済は後からなんとでもなる。
■別観点からの専門家の意見が必要
そもそも「医療面」からの提言であり、「経済面」からの提言と合わせて、落とし処を探さなければならない
■尊重する必要はない
「経済面」がどれだけ危機的な状況にあるのかが不明な状況で、「医療面」だけの提言を尊重するのは危険である。
■従わなくて良い
金銭的に困っていない偉い人が、建前を言っているだけなので、無視して良い。